炭火焼鳥 たかはし

元フレンチのシェフの方が炭火焼鳥の店を始めたということでネット・雑誌で評判の店を訪問した。五反田駅西口から徒歩1分の飲食店ビルの2Fに位置する。店内は焼き鳥屋というよりカウンター形式のダイニングバーのような佇まいだ。昼のメニューは親子丼一本のみ。大盛りか普通盛りしかなく、漬物と薄味の鶏スープが付く。
さて、親子丼であるが、玉子がかなり半熟な状態で供される。具材は玉子と鶏肉、ダシと醤油のみで他の素材は一切使っておらず、味付けは濃い目で、ややしつこく感じるが、なかなか。肉に特徴があり、通常親子丼は生の鶏肉と玉子から作るのだが、この店では一度焼いた鶏肉を使っている。香ばしさを出すためかもしれないが、正直肉の旨みをあまり感じない。鶏自体の質がそれほど傑出していないのと、肉汁のジューシーさが失われている為だと思われる。なぜこのような作り方をしているのか理解に苦しむが、焼鳥から作ったほうが肉に火を通す手間が省け、ランチタイムの混雑時に手早く出せるためではないかと推測(本日は全然混んでいなかったが)。普通の親子丼を供したほうが人気が出ると思われる。
接客は丁寧だし昼から仕込みをしっかりしているのは好印象。出自がフレンチだけあってワインにはこだわりがあるようで、小さい店の割りにリストは充実している。が、5000円から1万円以上と絶対額がいささか高め。こういっては何だが、この立地で焼鳥に1万円以上のワインを合わせたいという客がそんなにいるとは思えない。夜メニューの料理も安いわけではないので、調子に乗って飲んで食べると支払が1万円を越えてしまいそうである。3-4000円位の安めのワインを増やしてくれると夜も試してみたい気になるのだが・・・。